アーティスト・オオクボリュウによるガラス作品がSUB-ROSAのShopで発売される。トリをモチーフにしたインテリアの主役になる存在感のある「SAPPY GOOSE」は、オオクボがiPadで描画したスケッチを元に、ガラス職人が一つひとつ手作業で立体化したもの。
キャンバスなど平面を主としてきたオオクボにとって、立体かつガラスの作品は初めての試みだ。大のおもちゃ好き、ゲーム好き、映画好きで、エンターテイメントの先人たちから数えきれないほどの影響を受けてきた彼は、この作品を「ピカソへのオマージュ、いや、パクリです」と言い切る。
「絵ほど有名じゃないけど、ピカソのガラス作品ってかわいいんですよね。いつか僕もピカソ風にやってみたいなぁって思っていたんです」
そのオオクボのスケッチを受け取ったのは、スウェーデン、アメリカ、イタリアなどで約15年の修行を積んだのち、現在は北海道・江別市で工房を営んでいる、ガラス職人の柿崎均。その道36年の玄人をして約5ヶ月の試行錯誤を要する特殊な造形だったという。
「焼き物やひも作りであれば、不定形であってもパーツを付け合わせていくことで作れますけど、今回はガラスでしょう。ガラスは基本的に回転体で、当然手で触れないので吹きながら成形しますから、今回のような回転体から離れた形はとても難しかったです」
それでも、と柿崎は続ける。「ガラスの作品に慣れてない方とやるほうが予想外のオーダーがあっておもしろいんですよ。もちろん最初はえー!とびっくりするようなこともありますけど、よしやってみようという気が湧いてきます」
職人とのコラボレーションによってついに日の目をみた“トリたち”は、色の入り具合や細工の形など、一体ごとに異なる表情も特長だ。手にとって眺めながら「やっぱり残る作品を作れるのはいいですね」とオオクボ。
「こういう作品は買ったら大事にされるし、なかなか捨てられない。もしかしたら一生その人の家に置いてあるかもしれない。自分にとっても、きちんと作品にしていくことは大事だなって改めて思い直すことができました」
「SAPPY GOOSE」は作品の特性から、20個限定の受注生産で先着順の締め切りとなる。応募はSUB-ROSAのStoreから。